現代社会が生んだ心の闇に鋭いメスを入れ、日常のお困りごとから、
生きづらさの問題を心理的に徹底追及する「いぬこの心理探偵」の時間です。
職場で、学校で、家庭で、SNS上で
あの人が嫌い、苦手、なんかムカつく~!
そんな経験はありますよね?!
今日のいぬこの心理探偵シリーズは、
なぜある人に対して嫌い、苦手を感じるのか
そのメカニズムを追求していきます。
あなたにとって苦手、ムカつく人とはどんな人?
・ちゃんとしない、適当星人
・わがまま、自由な人
・仕事ができない人
・文句ばっかりいう人
・優柔不断な人
・まじめ、融通が利かない人
・エロい(笑)
・調子がいい、ぶりっこ(死語かw)
・情熱的に熱い人
・繊細でモジモジてる人
・可哀そうな自分をアピールする人 などなど
ここで残念なお知らせをします。
これらの苦手な人に反応してしまうのは、自分の中にその資質があるからです。
「いや、そんなの絶対ありえない!私、エロくない!」
と思ったそこのあなたっ!
エロだろ?エロいの認めちゃいな~(って話がずれたw)
それはシャドウと言います。
それがシャドウ、だからシャドウ。されどシャドウ!(叫ぶな、それはシャウト!!)
学術的に説明すると以下の通りです。
「 シャドウ(影)とは、個人において生きてこなかったもうひとつの側面であり、意識にとって許容できない自分の暗黒面のこと。ユング,C.G.の提唱した元型のひとつ。
意識において、ある自己イメージが選択されると、それに対立するイメージは無意識に抑圧される。そして、生理的に受け付けない人物という形で夢に登場したり、現実の人物(同性である場合が多い)に投影されたりする。
しかしシャドウを否定することは自分自身を否定することであり、潜在的な可能性を捨て去ることである。自分の中のシャドウと向き合い対決することが、個性化の第一歩である。」(心理学用語集より引用)
自分にとってOKな自分は受け入れらるけど、
嫌な苦手な自分は受け入れられない。
たとえ人から見て才能や能力であったとしても。
ありのままの自分が受け入れられない、
つまり自分自身を否定していることになります。
ありのままの自分を受け入れるとは、
どんな自分も受け入れていくことです。
これが出来ると楽ですが、出来ないから苦しいんだけどね。
シャドウと投影
あなたに受け入れてもらえない抑圧されたシャドウは、
「ぼくも君の一部だよ~」
とわかって欲しくって、周囲の人に映し出してきます。
これが投影というシステムです。
好き勝手に自由に振る舞っている人を見るとイライラ、ザワザワするのは
自分が自由に行動することを禁止、抑圧しているからです。
「私はこんなに我慢しているのに許せない!」
親が自分の子どもにイライラするのはこのメカニズムです。
このように抑圧や禁止をしてしまうのは、
大抵は過去の痛く辛い経験に紐づいています。
たとえば幼少期に自由にしていると親から怒られていたとしたら・・・
自由にすることはダメ、愛されないと思い
自由に行動することを自分で禁止します。
同時に愛されない恐れや悲しみ、怒りといった感情も抑圧してしまいます。
受け入れがたく、忌み嫌っているものは自分では気づかないものです。
だからこそ投影が教えてくれるのですが、
受け入れることに抵抗が伴うものです。
嫌だと思っている自分を受け入れると
愛してもらえない、生きていけないという恐れと連動しているからです。
その抑圧された感情を解放し、
シャドウを受け入れていく(統合)ことで、
投影が起こることが減っていくのです。
シャドウと向き合い、受け入れていくことで
その部分に関する投影が起こらなくなると自分の反応が変わってきます。
気が付いたらあまり反応しなくなっていたと気づいていきます。
ちなみにイライラしないように
苦手な人を苦手だと感じなくなることを目的に
統合していくのはナンセンスです。
統合とは
統合とは、今まで忌み嫌っていたものに
見ないようにしてきたものに光を当てることです。
光が当たることで捉え方にも変化が出てきます。
繊細な自分は、弱い人間、女々しい、負けると生きていけないと
忌み嫌っていたとしたら。
統合することにより繊細さとは優しさや純粋さであり、
共感できる能力でもあると捉えられるようになってきます。
つまり忌み嫌っていたものは、裏を返せば自分の才能。
シャドウの統合は自分が持っている能力に変換していくことです。
シャドウはなくすものではありません。
ある意味、闇なので闇がなくなれば光も消えてしまうからです。
闇が出てくることは健全です。
自分が成長すればするほど出てきます。
半端なく痛いけどね。
闇を受け入れることによって
さらに光も濃く強くなっていきます。
あなたという人間がより自分らしく際立っていきます。それが自己超越です。